「レポートで”私”って書いていいの?」「”筆者”と”私”はどっちが正しい?」「一人称を使わずに書く方法は?」
大学のレポートで一人称をどうあつかうかは、多くの学生が悩むポイントです。
結論から言えば、大学のレポートでは一人称をできるだけ使わないのが原則です。
ただし、「絶対に使ってはいけない」わけではなく、使える場面と使えない場面があります。
そして、一人称を使わずに書くテクニックを知っておけば、ほとんどの場面で一人称なしのレポートが書けるようになります。
この記事では、レポートの一人称について「私」「筆者」の使い分け、一人称を使わない書き方テクニック7選、レポートの種類別の判断基準、NG表現まで完全に解説していきます。
レポートで一人称は使えるのか
レポートで一人称が使えるかどうかは、レポートの種類によって異なります。
論証型レポートや実験レポートでは原則として使いません。
考察のパートで自分の見解を述べるさいには「〜と考える」と書けば、主語を省略しても筆者の見解であることが伝わります。
一方で、感想レポートやリアクションペーパーでは「私は〜と感じた」のように一人称を使ってかまいません。
主観的な内容が求められる課題では、一人称を使った方がむしろ自然です。
| レポートの種類 | 一人称の使用 | 理由 |
|---|---|---|
| 論証型レポート(〇〇について論じなさい) | × 原則使わない | 客観性が求められる |
| 実験レポート(理系) | × 使わない | 客観的な事実報告 |
| まとめ型レポート | × 原則使わない | 事実の整理が中心 |
| 感想レポート | ○ 使ってよい | 主観が求められる課題 |
| 考察部分 | △ 最小限にとどめる | 「〜と考える」で主語を省略するのが一般的 |
| 序論の動機 | △ 使ってもよい | 「〜に興味を持ったため、本テーマを選んだ」程度なら可 |
「私」「筆者」「本稿」の使い分け
一人称を使う必要がある場合、どの表現を使うかで印象が大きく変わります。
最もおすすめなのは「本稿」や「本レポート」を主語にする方法です。
「本稿では〇〇を論じる」と書けば、一人称を使わずに自分のレポートについて述べられます。
「筆者」は学術的な響きがあり、考察で自分の見解を述べるときに使います。
「私」は直接的で主観的な印象をあたえるため、感想レポートや序論の動機で使うのが適切です。
「我々」は共同研究のニュアンスがあるため、1人で書く大学レポートでは不自然です。
| 表現 | 印象 | 使う場面 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 私 | 直接的・主観的 | 感想レポート、序論の動機 | ★★★ |
| 筆者 | 客観的・学術的 | 論証型レポート、考察 | ★★★★ |
| 本稿 | レポートそのものを主語に | 「本稿では〇〇を論じる」 | ★★★★★ |
| 本レポート | レポートそのものを主語に | 「本レポートの目的は〜」 | ★★★★★ |
| 我々 | 共同研究のニュアンス | 理系の共著論文のみ | ★★★ |
使ってはいけない一人称
大学のレポートで絶対に使ってはいけない一人称があります。
「僕」はカジュアルすぎて学術文書にはふさわしくありません。
「俺」「自分」「あたし」「うち」も同様に口語的すぎるためNGです。
一人称を使う場合は「私」か「筆者」のどちらかに統一しましょう。
| NG | 理由 | OK |
|---|---|---|
| 僕 | カジュアルすぎる | 私 / 筆者 |
| 俺 | 完全にNG。口語的すぎる | 私 / 筆者 |
| 自分 | 体育会系の口語表現 | 私 / 筆者 |
| あたし / うち | 口語的すぎる | 私 / 筆者 |
一人称を使わずに書くテクニック7選
レポートでは一人称を使わずに書く方が評価が高いです。
以下の7つのテクニックを身につければ、一人称なしでも自然な文章が書けるようになります。
テクニック1:主語を省略する
日本語は主語がなくても文が成立するため、最もかんたんで効果的な方法です。
「私はSNSの影響について調べた」を「SNSの影響について調べた」と書きかえるだけで、一人称がなくなります。
| NG(一人称あり) | OK(主語省略) |
|---|---|
| 私はSNSの影響について調べた。 | SNSの影響について調べた。 |
| 私はこの結果に注目した。 | この結果に注目する必要がある。 |
テクニック2:「本稿」「本レポート」を主語にする
自分ではなくレポートそのものを主語にするテクニックです。
「私は〇〇を分析する」ではなく「本稿では〇〇を分析する」と書きかえます。
| NG | OK |
|---|---|
| 私はSNSの社会的影響を分析する。 | 本稿では、SNSの社会的影響を分析する。 |
| 私はこのテーマを選んだ理由を述べる。 | 本レポートの目的は、〇〇を明らかにすることである。 |
テクニック3:受身表現を使う
「私が〇〇した」を「〇〇が行われた」と受身にするテクニックです。
特に理系の実験レポートでは、受身表現が標準的な書き方です。
| NG | OK |
|---|---|
| 私はアンケート調査を実施した。 | アンケート調査が実施された。 |
| 私は100名の学生にインタビューした。 | 100名の学生に対してインタビューが行われた。 |
テクニック4:「〜と考えられる」と客観化する
「私は〇〇だと思う」を「〇〇と考えられる」と客観的な表現に変えるテクニックです。
「考えられる」は「誰が見てもそう分析できる」というニュアンスを持つため、個人的な意見よりも説得力が増します。
| NG | OK |
|---|---|
| 私はSNSが悪影響をあたえていると思う。 | SNSが悪影響をあたえていると考えられる。 |
| 私はこの政策に反対だ。 | この政策には問題があると指摘できる。 |
テクニック5:「〜と考える」で主語を省略する
「〜と考える」と書けば、主語がなくても「筆者が考えている」と読み手は理解します。
わざわざ「私は」「筆者は」と書く必要はありません。
| NG | OK |
|---|---|
| 私は対策が必要だと考える。 | 対策が必要であると考える。 |
テクニック6:データや文献を主語にする
自分ではなくデータや文献を主語にするテクニックです。
「私が調べた結果」を「調査の結果」に、「私は橋本の理論が正しいと思う」を「橋本(2018)の理論は適用可能である」に書きかえます。
| NG | OK |
|---|---|
| 私は橋本の理論が正しいと思う。 | 橋本(2018)の理論は、本テーマに適用可能である。 |
| 私が調べた結果、利用率は80%だった。 | 調査の結果、利用率は80%であることが明らかになった。 |
テクニック7:「〜が示されている」と既知の事実として書く
先行研究の知見を既知の事実として書くテクニックです。
「私は相関があると思う」ではなく、「相関があることが示されている(著者, 年)」と書くことで、客観的な根拠にもとづく記述になります。
| NG | OK |
|---|---|
| 私はSNSの利用時間と学業成績に相関があると思う。 | SNSの利用時間と学業成績のあいだに負の相関があることが示されている(田中, 2021)。 |
一人称を使ってもいい場面と例文
ここでは、一人称を使ってもかまわない3つの場面と例文を紹介します。
使う場合でも、レポート全体で3回以内に抑えるのが目安です。
序論でテーマを選んだ理由を述べるとき
序論でテーマを選んだ動機を述べるさいには、一人称を使ってもかまいません。
ただし、一人称を使わない方がさらに良い表現になります。
| OK(使ってもよい) | さらに良い(使わない) |
|---|---|
| ニュースで食品ロスの問題を知り、私はこのテーマに興味を持った。 | ニュースで食品ロスの問題を知ったことが、本テーマを選んだきっかけである。 |
考察で自分の見解を述べるとき
考察で自分の見解を述べるさいには、「筆者」を使うのが適切です。
ただし、「〜と考えられる」で主語を省略した方がさらに客観的になります。
| OK(使ってもよい) | さらに良い(使わない) |
|---|---|
| 以上をふまえ、筆者はSNSの規制が必要であると考える。 | 以上をふまえると、SNSの規制が必要であると考えられる。 |
感想レポートで感想を述べるとき
感想レポートでは「私」を積極的に使ってかまいません。
主観的な内容が求められる課題であるため、一人称を使った方がむしろ自然です。
| OK(積極的に使う) |
|---|
| 私は、この講義をとおして認知バイアスの存在を初めて知り、自分の日常にも当てはまることに気づいた。 |
文系と理系で異なるルール
一人称のあつかいは、文系と理系で異なります。
文系レポートでは「筆者は〜と考える」は許容されますが、最小限にとどめるのが望ましいです。
理系の実験レポートでは、一人称は一切使わないのが鉄則です。
「私が実験した」ではなく「実験を行った」、「私が測定した」ではなく「測定した」と書きます。
| 項目 | 文系レポート | 理系レポート |
|---|---|---|
| 一人称の使用 | 最小限にとどめる | 一切使わない |
| 考察での主語 | 「〜と考える」(主語省略) | 「〜と考えられる」(受身) |
| 実験方法の記述 | — | 「〇〇を測定した」(主語省略) |
| 「筆者」の使用 | 使用可 | 原則使わない(主語自体を省略) |
| 許容される表現 | 「筆者は〜と考える」 | 「〜と考えられる」「〜が示唆される」 |
一人称に関するよくある質問
一人称に関するよくある5つの質問にお答えします。
Q1.「筆者」と「著者」の違いは?
「筆者」は自分のことを指す一人称です。
「著者」はほかの人が書いた本や論文の書き手を指します。
自分のことを「著者」と呼ぶのはNGです。
| 用語 | 指す人 | 使い方 |
|---|---|---|
| 筆者 | 自分 | 「筆者はこう考える」 |
| 著者 | 他人(書籍・論文の書き手) | 「著者は〇〇と主張している」 |
Q2.「私」は減点される?
「私」を使っただけで減点されることは少ないですが、多用すると「感想文的」と判断される可能性があります。
レポート全体で3回以内に抑えるのが目安です。
| 使用回数 | 評価への影響 |
|---|---|
| 0回(一人称なし) | ◎ 最も客観的で評価が高い |
| 1〜3回 | ○ 問題なし |
| 4回以上 | △ 主観的な印象をあたえる可能性あり |
Q3. レポートで「我々」は使える?
理系の共著論文では「我々」が使われますが、1人で書く大学レポートでは不自然です。
1人で書く場合は「筆者」か主語省略にしましょう。
| 状況 | 「我々」の使用 |
|---|---|
| 共同研究・グループワーク | ○ 使ってよい |
| 1人で書くレポート | × 不自然 |
Q4.「私は〜と考える」と「〜と考えられる」の違いは?
「私は〇〇と考える」は主観的な意見(筆者個人の見解)です。
「〇〇と考えられる」は客観的な分析(根拠にもとづく推論)です。
レポートでは「〜と考えられる」の方が評価が高くなります。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| 私は〇〇と考える | 主観的な意見(筆者個人の見解) |
| 〇〇と考えられる | 客観的な分析(根拠にもとづく推論) |
Q5. 英語のレポートでは「I」は使える?
英語圏でも学術レポートでは「I」の使用を避けるのが一般的です。
代わりに受動態(was measured, was conducted)を使います。
ただし、APA形式では近年「I」の使用が許容される傾向にあります。
| 形式 | 「I」の使用 |
|---|---|
| APA形式 | △ 近年は許容される傾向あり |
| MLA形式 | × 受動態を推奨 |
| シカゴ形式 | × 受動態を推奨 |
一人称チェックリスト
レポートを提出するまえに、以下の6項目をかならずチェックしてください。
特に「私が必要以上に多くないか」は見落としがちなポイントです。
| チェック項目 | 確認 |
|---|---|
| 「僕」「俺」「自分」を使っていないか | □ |
| 「私」が必要以上に多くないか(3回以内が目安) | □ |
| 「〜と思う」を「〜と考えられる」に言い換えているか | □ |
| 実験レポートで一人称を使っていないか | □ |
| 「本稿」「本レポート」で代用できる箇所はないか | □ |
| 一人称を使う場合、「私」か「筆者」で統一しているか | □ |
一人称や文体に悩んだときの解決策
「一人称をどこまで使っていいかわからない」「文体がなかなか安定しない」という方にむけて、レポート作成を効率化するサービスを紹介します。
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| 特徴 | 内容 |
|---|---|
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|---|---|
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| 料金 | 1文字3円程度 |
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まとめ
レポートの一人称について解説してきました。
一人称のあつかいは「使わないのがベスト、使うなら最小限に」とおぼえておけば間違いありません。
この記事の7つのテクニックを活用して、客観的で論理的なレポートを書きましょう。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 原則 | レポートでは一人称をできるだけ使わない |
| 使う場合 | 「私」または「筆者」。「僕」「俺」「自分」はNG |
| 最も良い方法 | 「本稿では」「〜と考えられる」など一人称を使わないテクニックを活用 |
| 文系レポート | 「筆者は〜と考える」は許容。ただし最小限に |
| 理系レポート | 一人称は一切使わない。受身表現で書く |
| 感想レポート | 「私」を使ってOK |
| 統一ルール | 「私」か「筆者」のどちらかに統一する |
レポートの文体についてはですます調・である調の使い分けガイド、書き方全般はレポートの書き方完全ガイドもご覧ください。